富山県美術館で開催中の『世界ポスタートリエンナーレ2024』を訪れ、400点のデザイン作品と出会いました。歴史と自然が息づく富山の街並み、そして人気スポット『富岩運河環水公園』でのひととき。富山ガラス美術館の斬新な建築美や、地元の味にふれた旅の印象をレポートします。
第14回 世界ポスタートリエンナーレトヤマ2024へ
富山県美術館で開催中の「第14回 世界ポスタートリエンナーレトヤマ2024」(12/15まで)は、世界78か国から集まった4,557点の中から約400点が展示され、グランプリ作品や入選作品も紹介されています。
このトリエンナーレは1985年に創設され、3年に一度開催される日本唯一の国際公募展で、ポスター作品が対象です。富山県美術館は、国内で唯一デザイン作品を収蔵する美術館でもあります。常設展には、グラフィックデザインのポスターやプロダクトデザインの椅子なども展示されています。
今回の審査員の一人として、84歳の浅葉克己さんが参加されていることに驚きました。年齢を感じさせないバイタリティには、ただただ感嘆するばかりです。
富山を代表する市民スポット「富岩運河環水公園」
富山県立美術館は「富岩運河環水公園(ふがんうんが かんすいこうえん)」内にあります。この公園は、とやま都市MIRAI計画の一環で整備された親水文化公園で、面積は9.8ヘクタール。富山の自然や富岩運河の歴史を活かした空間で、地域の文化や未来に向けた創造の場でもあります。
私の暮らす新潟市もかつて「水の都」と呼ばれていました。信濃川や阿賀野川などの河川に加え、福島潟や佐潟といった豊かな生態系が残されていますが、新潟市内の水路は埋め立てられ、失われた部分も多いです。
「富岩運河環水公園」は、富山駅から徒歩約9分とアクセスも良好で、公園内にはさまざまな施設があります。その一つ、日本で「最も美しいスターバックス」は観光客にも人気で、市民も多く集まる憩いの場です。また、美術館の屋上には楽しい遊具が揃っており、ファミリー層にも大変人気があります。
富山の景色は新潟市と似たところもありますが、立山連峰は新潟の山々とはまた違った絶景です。特に冬の立山連峰は息をのむ美しさです。
訪れたかった「富山ガラス美術館」へ
富山城跡周辺には城下町の雰囲気が広がり、その一角に「富山ガラス美術館」があります。建築は隈研吾氏によるもので、外観はガラスとアルミが使われた美しいデザインが特徴です。館内は1階から6階まで吹き抜けとなり、富山産の杉板やガラスを使用したダイナミックな空間が広がります。
建築コンセプトである「TOYAMAキラリ」を体現するように、「キラリ」の文字も外観にあしらわれています。館内には6階のグラス・アート・ガーデンや3~4階の常設展示室、3~5階の図書施設、2階にはカフェとミュージアムショップもあり、落ち着いたひとときを楽しめるスポットです。
周辺には昭和の雰囲気を感じる「さんぽ~ろ」のアーケードもあり、富山の歴史と現代が共存しています。和菓子屋や寿司屋など、昔ながらの店舗も多く、富山の伝統の味を楽しむことができます。「石谷もちや」さんで買ったお団子はとてもおいしく、「池田屋安兵衛商店」では富山名物の和漢の薬が並び、薬の歴史を感じさせる展示も楽しい体験でした。
お昼は「寿司栄 総曲輪店」で地元のネタを楽しみました。店主に写真をお願いすると、「私ですか?」とおどけてくれて和やかな雰囲気でした。3年前に訪れた際にはそれほど待たずに入店できましたが、今回は90分待ちの人気ぶり。待ち時間を利用して、「富山ガラス美術館」を見学しました。
まとめ
訪れるたびに美しく整備されていく富山市は、地域の魅力を最大限に引き出す街づくりを進めていると感じます。自分たちの強みを活かし、観光地としての魅力を高めているのは素晴らしいことです。
富山県立美術館は、ポスターを収蔵している点では新潟県立近代美術館とも共通点がありますが、都市開発や地域の未来に向けた取り組みという点では、まだ新潟市も発展の余地があります。
新潟市も独自の街づくりに挑戦していくことを期待しています。