村上隆、国内で約8年ぶりとなる大規模個展へ。
前回は、2015年に森美術館で開催された「村上隆の五百羅漢図展」。こちらも素晴らしかったが、今回の見所は、江戸時代に京都を中心に活躍した絵師たちの代表作を村上が独自に解釈・引用し、再構築した新作約170点です。
展示会場の庭園の池に置かれた〈ルイ・ヴィトン〉のモノグラム・マルチカラーのトランクに乗った「お花の親子」。みんなここで記念撮影をしている。作品を見なくても撮影できるベストスポット。
金色の空の夏のお花畑
花畑のシリーズを尾形光琳の「孔雀立葵図屏風」を村上風にアレンジ。
日本の名画が現代アート、それもスーパーフラットの技法でこんなにもPOPに生まれ変わった。日本では人気のない村上隆だけど、絵はコミュニケーションだと私は思っている。漫画、アニメ、フィギュアなどオタクカルチャーの延長戦だからダメなのではなく、漫画をアートにしてしまったことが功績なのでは。
風神図
私の大好きな尾形光琳の「風神雷神図屏風」を村上隆はどのように解釈するのか。
俵屋宗達筆の「風神雷神図屏風」(1630年頃)から尾形光琳の「風神雷神図屏風」(1711年頃)。
そして尾形光琳の「風神雷神図屏風」から村上隆の「風神雷神図」(2024年)。
作品は風神図が左、雷神図が右に配置されていました。下の俵屋宗達の風神雷神とは左右が逆になっています。
それぞれの持ち物や角、服装はそのままのイメージを残していますが、筋肉もりもりからゆるい肉体になっています。
お互いの目線を合わせた、ものすごい緊張感のある尾形光琳に対してゆるく、ユーモアのある演出に変わっています。
俵屋宗達の風神雷神は国宝。尾形光琳の風神雷神は重要文化財。将来、この絵がどのような評価を受けるのか楽しみです。
雷神図
俵屋宗達の風神雷神屏風図
我が家にある俵屋宗達のミニチュア屏風。俵屋宗達と尾形光琳の風神雷神図屏風を観に行ったときにミュージアムショップで購入した屏風。
スカネディスクBLAK
スカルは村上作品の代表的なモチーフの一つ。真っ暗な展示室にもののけを思わせるようなマットブラックの作品。
六角螺旋堂
新潟人にはおなじみの会津のさざえ堂のイメージを再現したマットブラックのお堂。
竜頭Gold
こちらはゴールドのスカル。上の六角螺旋堂の支柱に付けられました。
清流 京都
この絵の他に「朱雀 京都」「白虎 京都」「玄武 京都」の4枚の絵の中心に六角螺旋堂が配置され、古都京都を演出していました。
平安神宮の敷地内にあるといってもいい京都市京セラ美術館。
2020年春、建築家・青木淳と西澤徹夫の設計で「京都市京セラ美術館」がリニューアル。
美術館の地下にあたる部分をメインエントランスから左右に伸びるファサード「ガラス・リボン」がスリットのように建物の下部を支える、とても美しい美術館です。
どこから撮ったらこの美しい建築物を撮影できるのかベストスポットを見つける事ができずにこのカットに。
おまけ
私は、作品を見るときは後ろがどうなっているかとても気になる人なので「お花の親子」も後ろから見てみました。後ろには林があるので見ている人はいませんでした。
おみやげに買ってきた、お濃茶ラングドシャ 茶の菓「村上隆 もののけ 京都」《⾵神図》《雷神図》オリジナルパッケージ。お菓子の焼印には代表作品「お花」をモチーフにした特別なデザイン。これは2つ買うしかないでしょう。