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2度目の京都は、ディープに。そしてアクティブに。

2024年、2度目の京都へ。
前回の反省をふまえ、今回は公共交通機関をフル活用。歩きすぎず、移動の快適さを重視した旅に。
SUICA片手に、少しだけ大人になった京都旅のスタートです。

 

今回の目的は8つ(+α)

  1. 俵屋宗達の「風神雷神図屏風」をついに鑑賞

  2. 京都市京セラ美術館で草間彌生の版画展&モネ展

  3. 二条城で「アンゼルム・キーファー:ソラリス」を体感

  4. 鴨川デルタを渡る

  5. 先斗町を歩く

  6. 嵐山を散策する

  7. 伏見稲荷大社の鳥居をくぐる

  8. 養源院で「白象」に出会う

+α:予定外だった京都駅に、まさかの未来を見た

1度目の経験があったからこそ、行動範囲がぐっと広がった今回の旅。
少しだけ京都の地理感覚がつかめてきたおかげで、気持ちにもゆとりがありました。

 

 

 

宗達、光琳、村上隆──私と「風神雷神図屏風」

京都国立博物館 平成知新館
京都国立博物館 平成知新館
写真は、建仁寺の「風神雷神図屏風」(複製)
写真は、所蔵 : 京都建仁寺(国宝)へも伺いました。こちらは複製の展示ですが、京都国立博物館「日本、日のるつぼ」展で本物をじっくり拝見しました。

 

最初の出会いは、東京国立博物館で観た尾形光琳による模写。
風神を見つめる雷神の視線に、「これは模写なのに、まるで光琳自身の世界」と感じた記憶が残っています。

昨年は、村上隆によるポップで妖しい風神雷神に再会。
構図が現代まで生きていることに、改めて驚かされました。

そして今回、ついに“本家”宗達の屏風と対面。
派手さはなくても、静かな緊張感と生命力。
目を離せない、時を超えた名画でした。

この絵が、何世紀にもわたって見られ続けている理由を、肌で感じたひとときです。

 

草間彌生とモネ、ふたつの世界を歩く

京都市京セラ美術館
京都市京セラ美術館

 

京都市京セラ美術館では、「草間彌生 版画展」と「モネ展」をはしご。
当初は草間彌生だけのつもりが、気づけば両方しっかり鑑賞。

草間作品は、小ぶりながらも強い存在感。
彫師と摺師が丁寧に仕上げた版画には、金属のような質感もあり、彼女の世界観が精緻に再現されていました。
図録はあえて買わず、自分の中に残る記憶を大切に。
「記録より記憶」──これも最近の旅のテーマです。

モネ展は想像以上の混雑ぶり。
一方、草間展は個性的な来場者が多く、作品だけでなく“人を観る”面白さも味わえました。

 

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」

アンゼルム・キーファー:ソラリス
アンゼルム・キーファー:ソラリス
元離宮二条城 東南隅櫓(重要文化財)
元離宮二条城 東南隅櫓(重要文化財)

 

元離宮二条城 通常非公開の「台所」や「御清所」に展示された作品群は、自然光だけの照明によって刻々と表情を変えていきます。
展示ケースにあっても“閉じ込められていない”空気感が漂い、静かに息づくようでした。

キーファーの作品は、美しさよりも「問いかけ」や「ざらついた感情」。

《モーゲンソー計画》では、畳の上に撒かれた砂と麦、そこに潜む蛇。
静けさの中に、戦争と破壊の記憶が横たわっています。

歴史的空間で感じる現代アートの力に、心が揺さぶられました。

🗓 会期は2025年6月22日まで。
静かに熱く、心に残る展示です。

 

鴨川デルタ、飛び石を渡るたびに広がる風景


 

京都・出町柳にある「鴨川デルタ」は、賀茂川と高野川が合流して“鴨川”になる場所。
芝生と水辺が広がる三角州のような地形から「デルタ」と呼ばれ、地元の人や観光客が集う憩いの場です。

飛び石を渡れば、川の流れをまたぎながら、知らない誰かとすれ違う瞬間。
譲り合いながら、笑い合いながら、文化や世代を越えて交差する――そんな京都の優しさが、ふと感じられる場所でもあります。

見た目は素朴でも、ちいさな石の連なりが、なんだか象徴的に思えてくるのです。

 


表と裏が共存する!? 先斗町は“京都らしさ”が詰まった小道

ココはまだ入り口、まだまだずっーと先斗町通りは続きます。
ココはまだ入り口、まだまだずっーと先斗町通りは続きます。
有名な鴨川並び? 感覚を開けて並びます。
有名な鴨川並び? 感覚を開けて並びます。

 

京都・四条大橋のたもとから続く「先斗町通り」は、鴨川の少し外側に並走する細い通り。
町家を活かした飲食店がずらりと並び、昼も夜も多くの人でにぎわう、人気のエリアです。

一方、すぐ内側の鴨川沿いには、緑の草むらや飛び交うサギの姿、ジョギングを楽しむ人たちの姿も。
ほんの数十メートルしか離れていないのに、喧騒と静けさが共存しているこの界隈は、まさに“京都の不思議”。

表通りの華やかさと、川べりの自然がつくり出すギャップが、なんとも魅力的なエリアです。

 


嵐山へ──自然の中で深呼吸

ベストスポットも見つけられず、一番最初に見つけたスポットから渡月橋をパシャリ。
ベストスポットも見つけられず、一番最初に見つけたスポットから渡月橋をパシャリ。

 

今回の旅で最も遠くまで足を伸ばしたのが嵐山。
JR嵯峨嵐山駅まで約30分。朝食後に出発したら、修学旅行生の波にすっかり巻き込まれました。

人の流れにのって、渡月橋や竹林の小径へ。
静けさはなかったけれど、嵐山の自然はそれだけで癒しの力があります。

京都中心部とは異なる“緑の深さ”を感じた一日でした。

 

伏見稲荷大社──登ってわかる本気の信仰

学生の姿がちらほら。私が帰る頃にピークがやって来た。やはり早朝がベスト。
学生の姿がちらほら。私が帰る頃にピークがやって来た。やはり早朝がベスト。

 

気軽な気持ちで訪れた伏見稲荷。
いざ登ってみたら…想像以上の山道でした!

朝7時から登り始め、なんとか稲荷山の頂上まで到達。
帰宅後、家族に「よく登ったね」と驚かれたほど。

びっしりと並ぶ赤い鳥居が、この地の信仰の厚さを物語っていました。
いい汗、いい経験になりました。

 

撮れないものを、心に焼きつける

2024年に伺った際の写真。休館日の門前に黒猫が待っていてくれました。
2024年に伺った際の写真。休館日の門前に黒猫が待っていてくれました。

 

ようやく出会えた、養源院の「白象」。
前回は閉ざされていた扉の前にいた黒猫が、今回の再訪への導きだったのかも。

自然光の中に浮かび上がる、宗達の白象・麒麟・唐獅子。
どこか現代的でもある宗達のタッチには、狩野派とは違う軽やかさを感じます。

村上隆の「もののけ京都」でも描かれなかった“白象”。
風神雷神だけじゃない、宗達の魅力に圧倒されました。

撮影できない空間だからこそ、記憶がくっきり残ります。

 

京都駅が未来だった

JR京都駅、11階まで続くエスカレーターに圧巻。
JR京都駅、11階まで続くエスカレーターに圧巻。

 

旅の終わり、ふと見上げた京都駅の天井。

「何この空間……!」

ガラスの屋根、どこまでも続く階段、宙に浮かぶエスカレーター。
伊勢丹、美術館、劇場、屋上庭園まで揃ったこの駅は、もはや“未来の観光地”でした。

通過するはずだった場所で、まさかの1時間滞在。
たまたま来ただけなのに、いつの間にか立ち止まってしまう。
そんな出会いも、旅の醍醐味です。

 

まとめ

2度目の京都は、計画的でありながら、どこか偶然の楽しさも含まれた旅。

展示をじっくり観て、京都の自然に触れ、アートと日常の両方を堪能することができました。

 

やっぱり京都は奥が深い。

何度訪れても、新しい出会いがあります。

 

 


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