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「顧客幸福度」から読み解くデザインの役割

2025年7月号の「日経X TREND」で、企業やブランドがどれだけお客さんを幸せにしているかを測る、「顧客幸福度」という新しいランキングが発表されました。これ、デザイナーの私たちにとっても、すごく分かりやすい指標です。

 

 

「顧客幸福度」って、結局何?

 

今までも「顧客満足度」という言葉はありましたよね? でも、あれは「この商品、安いからまあ満足かな」みたいな、一時的な評価が中心だったりします。安さだけで選ばれた商品は、もっと安いものが出たら、あっという間に乗り換えられちゃう可能性も。

 

それに対して「顧客幸福度」は、お客さんがその企業やブランドの存在自体に、「本当に幸せを感じているか」、そして「このブランドをずっと応援したい!」と心から思っているかという、もっと深く、感情的なつながりを測ろうとする指標なんです。

 

 

 

ランキングから見える意外な顔ぶれ

 

2024年の調査では、こんな企業・ブランドが「顧客幸福度」で上位にランクインしました。

1位:ジブリ(エンタメ)

2位:モスバーガー(ファストフード)

3位:ケンタッキーフライドチキン

5位:USJ(テーマパーク)

4位・6位・8位:冷凍食品ブランド(ニチレイ、味の素、ニッスイ)

※出典:日経クロストレンド

 

パッと見、「ヒット商品連発!」というイメージとはちょっと違うブランドも入っていますよね。特に2位のモスバーガー。爆発的なヒット商品があるわけではないのに、なぜこんなに高評価なのでしょう?

 

 

 

モスバーガーに学ぶ「幸福度」の秘密

 

私の仮説ですが、モスバーガーは、一時的な「ヒット」を追いかけるよりも、質の高い商品とサービス、そしてお客さんを大切にする姿勢を地道に積み重ねているからこそ、お客さんの心に深く響く「幸せ」を提供できているんだと思います。

 

  • 素材へのこだわり:国産の新鮮な野菜を使う、注文を受けてから作る「アフターオーダー」など、食の安心・安全や美味しさへの徹底したこだわりが、お客さんの信頼と満足感を高めています。
  • 「人」への温かさ:スタッフの丁寧な接客や、お店の温かい雰囲気も、モスバーガー体験を特別なものにしていますよね。

 

こうした「ぶれない軸」が、単なるハンバーガー店を超えて、お客さんの心に「幸福感」を生み出しているのでしょう。

 

 

 

デザイナーが「顧客幸福度」から学ぶこと

 

この「顧客幸福度」の調査結果が私たちデザイナーに教えてくれるのは、「お客さんが本当に幸せだと感じるブランドは、長く愛され、応援される」というシンプルな事実です。

 

お客さんを幸せにするためには、見た目のカッコよさや、一瞬のインパクトがある広告だけでなく、商品の品質が良いのはもちろん、感情的に「好き」「信頼できる」と思ってもらうことが何よりも大切。

 

私たちデザイナーは、広告という「点」で成果を出すことも重要ですが、本当にブランドを育て、お客さんを幸せにし続けるためには、企業やブランドが持つ根本的な姿勢や価値観をデザインを通じて発信していく必要があるのではないでしょうか。

 

一発の派手な広告よりも、ブランドの「らしさ」を隅々までデザインに落とし込み、お客さんとの間に揺るぎない信頼と共感を生み出すこと。それこそが、これからのデザイナーに求められる、大切な役割ですね。

 

 


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