最近、会議やメディアで「キャッチアップ」という言葉をよく聞く。最初は「???」だったが、なんとなく文脈で「把握して」的な意味だと理解した。でも、本当にみんな正しく使えているのだろうか?
例えば、こんな会話を聞いたことがある。上司「Tさん、来週のプロジェクトの件、まだキャッチアップできてないよね?明日までにキャッチアップしといて」Tさん「はい」。でもTさんは明らかに困惑していた。何をキャッチアップするのか、どうやってキャッチアップするのか、全然分からない様子だった。
別の例では「昨日のセミナー行けなかったから、キャッチアップさせて」と言って、資料をもらっている場面もある。この使い方は自然に感じた。
調べてみると「キャッチアップ」は「追いつく、遅れを取り戻す」という意味。「市場にキャッチアップする」「技術的なキャッチアップが必要」という使い方が正しいらしい。
でも「議事録をキャッチアップしておいて」は少し不自然で、「議事録でキャッチアップしておいて」の方が自然だそうだ。
なぜこの言葉が広まったのか考えてみた。「追いつく」より「キャッチアップ」の方がビジネスライクに聞こえるし、具体的に何をするかボヤけるから使いやすいのかもしれない。
「キャッチアップ」という言葉、完璧に理解して使っている人は実は少ないかもしれない。でも、それでいいのだ。言葉は使いながら覚えていくもの。
新しい言葉との出会いを楽しみながら、たまには間違って使っても、それも言葉の進化の一部だと思うことにした。